あらすじ
二十三歳の日本人、睦月怜音は、ある日突然異世界へ召喚された。
目を覚ました場所は、巨大な玉座の上。
そして眼前では、人ならざる七十二の存在が一斉に跪いていた。
「御帰還を、心よりお待ち申し上げておりました。我らが王よ」
彼らは、ソロモン72柱。
世界最難関の未攻略迷宮《天獄》――その真の名、《王冠城塞ケテル》を頂点とする巨大国家の最高位存在たちだった。
だが、怜音には彼らの王だった記憶などない。
そもそも、この世界へ来たことすら初めてのはずだった。
それから三年。
怜音は、自分がなぜ召喚されたのかを調べ続けている。
そんな中、人間の王国が五人の日本人を《勇者》として召喚する。
彼らは一年にわたる戦いの末、ついに魔王を討ち果たした。
しかし、人類が世界の頂点だと思っていた魔王は――怜音の臣下である72柱、そのさらに配下に過ぎなかった。
勇者たちはまだ知らない。
世界には、自分たちが知るより遥かに深い階層が存在することを。
そして怜音もまた知らない。
なぜ72柱が自分を「王」と呼ぶのか。
なぜ彼らは、自分の召喚を「帰還」と呼んだのか。
最強の王と、その王に絶対の忠誠を誓う72柱。
勇者、魔王、超越者、古代召喚術式、そして千年以上空に君臨する《天獄》。
これは圧倒的な力を持ちながら、自分自身の正体だけを知らない男が、世界の真実を追い求める物語。