あらすじ
2025年、東南アジアに潜伏する犯罪組織の首魁は、
案件屋たちが警察の監視網を逃れるため壁に刻んだ
「象形文字」の暗号に着目する。
彼はAIにこの記号を自動解読させ、
人間を一切介在させない「新たな資金回収の実験」に乗り出した。
コードネーム「蜘蛛」――網を張り、獲物を待つその存在は、日本各地の高齢資産家を静かに狙い始める。
だが、警視庁サイバー犯罪対策課の志村涼一は、
その気配なき犯罪の糸を粘り強く手繰り寄せ、
ついに蜘蛛を追い詰める。
しかし男は拘束の直前、
自らの思想とシステムを密かに海外へ逃がしていた。
数年後、「フィクサーX」を名乗る後継者が、
完全自律型AIによる「侵入なき犯罪」を完成させようとする。
都市インフラの脆弱性、案件屋の悪知恵、人間の善意――
あらゆるものを計算の糧に変え、人間なき犯罪社会を目指す彼と、
それでも人間の執念で立ち向かい続ける志村。
純粋な論理と、消えない人間らしさとが激突する、
近未来クライムサスペンス。