あらすじ
二十四歳の森川湊は、年収と「市場価値」を上げることばかり考えながら、ごみ収集の仕事をしている。
同じ班の青木修は三十八歳。長い番地や時刻、警告コードを読むのが苦手で、分からなければ仲間に読んでもらう。一方、袋の重さや形、音に違和感があれば、迷わず収集を止める十一年目の作業員だ。
森川はそんな修を、向上心のない男だと決めつける。
だが、年収、SNSの反応、役職、婚活条件、子どもの点数、老後資金、再生回数――数字に生活を守られ、同時に追い立てられる人々が、収集現場で修とすれ違っていく。
数字を捨てれば幸せになれるわけではない。
条件も、試算も、評価も必要だ。それでも、画面に並ぶ数字だけでは拾えないものがある。
高給の転職スカウトに揺れる森川と、数字コードだけで危険を伝える新端末。
読めないときに止まり、必要なら誰かに読んでもらう。
青葉市のごみ収集現場を舞台にした、全24話のお仕事群像劇。