あらすじ
紹介文
桐谷直人には、妻と八歳の娘がいる。
三人家族――そのはずだった。
ある朝、スマートフォンに表示された「5年前の思い出」。
そこには妻と娘、そして見覚えのない少女が写っていた。
「この子、誰?」
直人が尋ねると、妻は不思議そうな顔をした。
「美咲でしょ。あなたの娘じゃない」
家には美咲の部屋がある。
歯ブラシも、学校の書類も、母子手帳もある。
昔の家族写真にも、彼女は当たり前のように写っている。
知らないのは、直人だけ。
そして夕方。
玄関の鍵が開き、写真の少女が帰ってくる。
「パパ、ただいま」
家族が一人増えたのか。
それとも――忘れているのは、自分なのか。
記憶と記録に侵食されていく、日常系サスペンスホラー。