あらすじ
あの夏、兄が死んだ。
夏祭りの帰り道、目の前に飛び出してきた少年を助けるため、兄・楓(かえで)はトラックに轢かれた。
その瞬間を目の前で見てしまった弟・夏弥(なつや)は、心を閉ざし、兄の死をきっかけに過去の記憶さえ失っていく。
数年後、高校生になった夏弥の前に、幼い頃の親友だった雅(みやび)が現れる。
忘れていた記憶の中には、雅ともう一人の親友・郁音(いくね)。
そして、幼い頃に通り魔に襲われ亡くなった恵(めぐみ)の存在があった。
それぞれが大切な人を失い、心に傷を抱えながら生きている。
一方、楓に命を救われた少年・颯真(そうま)は、その事実を知らないまま成長していた。
やがて少しずつ蘇っていく、あの日の記憶。
忘れていた過去と向き合ったとき、夏弥が最後に叫ぶ言葉とは――。
これは、失った人たちを胸に抱えながら、それでも明日を生きようとする少年たちの、ひと夏の物語。