あらすじ
炎の花が咲く王国イグニス。
その頂点に立つ女王ヴェラノラは、各国から寄せられる求婚を退け続けていた。
そんな彼女が伴侶として選んだのは、ひとりの騎士。
「貴様、私の伴侶にならんか?」
突然の言葉に、騎士レイはただ答える。
「仰せの、ままに」
だが、レイには女王にも王国にも明かせない秘密があった。
その正体は、変身魔法で男の姿をとる少女――セレスタ。
生まれ持った力があまりにも強く、誰かに触れることすら恐れている彼女は、騎士として女王を守ることだけを願ってきた。
忠誠。
敬愛。
それだけでよかったはずだった。
女王の求婚をきっかけに、セレスタの中でそれまで名前を持たなかった感情が揺れ始める。
女王と騎士。
炎と竜。
隠された過去と、それぞれが抱える秘密。
これは、自分自身すらうまく掴めないひとりの少女が、女王の隣に立つために歩き始める物語。