あらすじ
十七歳の少年・天城蓮は、ある日突然、見知らぬ異世界へと転生した。
目を覚ました彼を待っていたのは、剣と魔法が存在する大陸――アルディア。
そして、転生者に与えられるという「祝福」。
蓮が授かった職業は――《記録士》。
戦えない。 魔法も使えない。 身体能力も普通。
冒険者たちからは「何の役にも立たない職業」と笑われ、勇者一行にさえ見捨てられてしまう。
しかし、《記録士》には誰も知らない能力があった。
それは――世界に起きた出来事を「記録」し、その記録から未来の可能性を読み取る力。
最初に蓮が見た未来は、七年後のものだった。
王都は炎に包まれ、 大陸最大の帝国は滅び、 魔物の大群が国境を越え、 そして――世界を救うはずだった勇者が、仲間たちを手にかけていた。
「……なんでだよ」
未来を変えようと決意した蓮は、まだ何も起きていない小さな村へ向かう。
そこで出会ったのは、後に「魔女」と呼ばれ処刑される少女。
そして、未来では勇者に殺されるはずだった騎士。
さらに、歴史から存在そのものを消された謎の少年。
本来なら交わるはずのなかった四人の運命が、少しずつ重なり始める。
だが、未来を変えるほど、蓮の「記録」にも異変が起きていく。
本来存在しないはずの出来事。
知らないはずの人物。
そして、何度記録を読み返しても消えない一文。
『この世界は、二度目の終焉を迎える。』
やがて蓮は知る。
自分がこの世界へ転生したことすら、偶然ではなかったことを。
勇者も、魔王も、そして自分自身さえも――誰かによって仕組まれた「物語」の登場人物だった。
ならば。
決められた結末を記録するだけだった少年は、最後に一つだけ、世界の歴史に存在しなかった選択を書き加える。
――「ここから先は、俺たちが決める。」
これは、最弱職から始まった少年が、仲間たちとともに滅びの未来そのものを書き換えていく、異世界転生ファンタジー。