あらすじ

昭和六十年、春。 大阪の神楽町という街に、柳龍司という二十一歳の若者がいた。 喧嘩っ早く、考えるより先に身体が動く。 それでも街の人間には愛され、親分・榊宗次郎と仲間たちに囲まれながら、榊組の若衆として生きていた。 龍司にとって、神楽町と榊組が世界のすべてだった。 だが、街の境目で起きた小さな揉め事をきっかけに、その世界は少しずつ形を変えていく。 榊組。 その上にある天真会。 そして、そのさらに上に君臨する巨大組織――天龍会。 親と子。 兄と弟。 看板と意地。 忠義と野心。 守るために頭を下げる者がいる。 上へ行くために牙を剥く者がいる。 そして、つい先日まで同じ大看板の傘の下にいた男たちが、やがて互いの前に立つ。 これは、まだ何者でもなかった一人の若者が、多くの男たちと出会い、失い、その背中を追いながら、自らの道を歩いていく物語。 龍はまだ、天の高さを知らない。

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小説を読もう2026/08/28
  • 現在の作品龍は天を仰ぐ 第一部「天龍大乱篇」