あらすじ

僕はいつから、自分の人生に期待しなくなったのだろう。 母を亡くした。 その日を境に、父は別人のように変わった。 そして、唯一の兄までも失った。 追い打ちをかけるように、中学時代にはクラスメイトによって、母が残してくれた大切な形見まで壊されてしまった。 大切なものを失い続けた少年の心には、いつしか何も残っていなかった。 そんなある夜。 すべてに疲れた少年は、誰にも告げずに一人で夜の街を歩いていた。 そこで出会ったのは、どこか掴みどころがなく、それでいて不思議な優しさを持った一人の女性。 彼女は、少年の抱えているものなど何も知らない。 それでも、彼女は少年を見捨てなかった。 「お前がどんなやつで、どんな人生だったのか全くわかんないけどな」 その言葉に、少年は初めて自分の心を見てくれる人がいることを知る。 そして彼女の何気ない言葉や仕草に、少年は亡き母の面影を感じる。 ――もう一度だけ、人を信じてもいいのかもしれない。 それが、少年の止まっていた時間が動き出す瞬間だった。 やがて二人は、少しずつ互いの過去を知り、支え合いながら距離を縮めていく。 これは、人生に絶望した少年が、一人の女性との出会いをきっかけに、もう一度「生きること」と向き合っていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/27
  • 現在の作品勘が鋭い神崎さん