あらすじ

王国東端の辺境を治める辺境伯家の令嬢エレナは、第一王子アルフレッドの婚約者として王都へ招かれる。 それは婚約を祝うための宴のはずだった。 しかし宴の席でアルフレッドは伯爵令嬢との恋を理由に婚約破棄を宣言する。 辺境の娘など王族には相応しくない。 会場に集まった貴族たちはそう言わんばかりに嘲笑し、国王もまた若者同士の問題として受け入れた。 だが、その場にいたただ一人だけ顔色を変えた者がいた。 病を押して宴に出席した王太后である。 「それだけは駄目……」 誰にも届かない声を漏らし、王太后は涙を流して倒れてしまう。 そして婚約破棄を受け入れた辺境伯は、悲しそうな表情を浮かべながら静かに言った。 「承知いたしました」 それだけだった。 怒りも抗議もない。 ただ受け入れただけ。 しかし、その日を境に王国は少しずつ変わり始める。 東方から運ばれていた品々は姿を消し、商人たちは王都を離れ、辺境伯家との繋がりも次々と失われていく。 一方、昏睡状態となった王太后は目を覚まさないまま時を過ごし、王国は何が失われたのかを知る者もなく衰退への道を歩み始めていた。 誰も知らなかった。 その婚約が、亡き先王が命懸けで結んだ約束の証だったことを。 そして辺境伯令嬢エレナが、本当は何者だったのかを。 これは、たった一度の婚約破棄から始まる、王国滅亡の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/27
  • 現在の作品婚約破棄されたので、辺境伯令嬢を辞めました