あらすじ
小説なら、気に入らない場面は削除できる。
つまらない展開は書き直せる。
主人公が間違った選択をしたなら、別の道を歩かせればいい。
けれど、現実はそうはいかない。
みっともない回も残る。
退屈な回もある。
何も進まない回もある。
「なんでこんなことをしたんだ」という回もある。
小説なら削除されるような無駄な場面が、人生ではそのまま残る。
そして何年後かに、
「あのときの無駄な回があったから、ここに繋がったのか」
と思うことがある。
もちろん、すべての失敗に意味があるわけではない。
本当に意味のない出来事だってある。
それでも消せない。
消せないまま、次のページに進むしかない。
これは、そんな「編集できない物語」を生きる人間についてのエッセイです。