あらすじ
魔王を倒せば、世界は救われる。
誰もがそう信じていた。
三百年に一度、聖剣に選ばれる勇者。
その勇者が魔王を討ち果たせば、長きにわたる戦いは終わる――。
俺、ヨハン・クレイスも、かつてはそう思っていた。
だが、俺は知っている。
勇者が魔王を倒した三日後。
世界は滅びる。
前世で三十二年間を生き、世界の終焉を目撃した俺は、なぜか勇者選定の日へと巻き戻っていた。
そして今回も、聖剣は同じ少年を勇者に選ぶ。
タイムリミットは三年。
魔王を倒すことが世界を救う方法ではない。
むしろ、その逆だ。
魔王を、勇者から守らなければならない。
しかも、前世で魔王討伐の旅の途中に姿を消した少女――シエル。
彼女には、誰にも知られていない秘密があった。
「魔王は、人の姿をしている」
世界を救うため、勇者を止める。
これは、世界を滅ぼす勇者から魔王を守る、二度目の人生の物語。