あらすじ
研磨師ズラタは、上等な原石の選別だけを親方ヤヌシュの手柄にされ、返品された十二石の責任と冬前の解雇を押しつけられた。王都の工房主レシェクに食事も部屋も差し出されるが、働けない日に寝床を奪われた過去を持つ彼女は、好意のすべてを「腕を保つための経費」だと思い込む。
日没までに責任を認めなければ、給金も寝床も紹介状も失う。追いつめられたズラタは、元荷札と仕入れ帳を携え、三工房の職人と十二人の商人が見守る公開再研磨を申し出た。削れる場所は、ただ一か所。盗まれた名と、仕事のできない日にも帰ってよい居場所を取り戻すお話。