あらすじ
国境の薬草園で働く調薬師アイノのもとへ、負傷した守備隊長ボフダンが運び込まれた。王都の療養所を三つ断って彼女を名指しした彼の好意は周囲に筒抜け。だがアイノは、食事も睡眠も「薬師を働かせ続けるための経費」だと解釈し、十年分の求愛をことごとく職務上の健康管理へ変換してしまう。
やがて疫病に閉ざされた砦を救うため、アイノは完成と同時に命を失う煎薬を作ることに。互いの片思いをようやく言葉にした二人は、二度目の生で再会する。
今度こその求婚、寝過ごしても残されていた温かな朝食、そして盛大に吹き出されるスープ。命懸けの告白より難しい返事を、食卓全員で笑いながら待つお話。