あらすじ
百年近く平穏を保ってきた小国・南岚。
しかし隣国の侵攻によって国境の砦が落ち、国は存亡の危機に立たされていた。
宗主国である大衡へ援軍を求めた南岚に送られてきたのは、大軍ではなく、たった一人の参軍だった。
郭清、字は奉遠。
痩せた身体に白い衣、腰には酒壺。眠たげで人を食ったような態度を崩さないその男は、南岚へ着くなり王太子ではなく公主・麗華を探し出す。
「敵に選択肢があると思わせたまま、こちらの望む道を選ばせる。それが一番楽です」
郭清は兵力で勝る敵を策で翻弄し、南岚を救っていく。
そして最初の戦を前に、褒美として求めたのは金でも地位でもなかった。
「この戦に勝ったら、麗華殿に求婚する許しをいただきたい」
あまりに突然の求婚。
麗華は当然、すぐには受け入れない。
けれど共に戦い、大衡の都を訪れ、郭清という男を知るうちに、麗華の気持ちは少しずつ変わっていく。
戦場では誰よりも先を読むくせに、恋愛となると驚くほど不器用な男。
人の命を救う策を考えることを好みながら、自分自身の命にはどこか無頓着な男。
そして、生まれつき身体が弱く、それでも戦が起こればそこへ行かずにはいられない男。
やがて夫婦となった二人の暮らし、しかし戦争は二人の生活を脅かす。
「できるだけ長生きしてください」
戦と病を越えながら、公主と軍師が帰る場所と生きて帰る理由を見つけていく、中華風恋愛戦記ファンタジー。
※成人済みの男女による性描写があります。R18描写は結婚後です。