あらすじ
王宮の書簡係として働くミーナ・フェルナーの仕事は、届いた手紙を記録し、正しい宛先へ届けること。
ある日、隣国の王太子テオドールから、公爵令嬢エレオノーラ宛ての手紙が届く。
不在だったエレオノーラに代わり、妹のリディアがその手紙を受け取った。
それから、二人の間では何度も手紙が行き交うようになる。
受け取りに来るのも、返信を持ってくるのも、いつもリディアだった。
そして3ヶ月後。
「エレオノーラ、おまえとは婚約破棄させてもらう」
隣国の王太子との密通を疑われ、婚約者から断罪されたエレオノーラ。
けれど彼女は泣きながら訴えた。
「私は、そのような手紙を一通も受け取っておりません」
その言葉を聞いたミーナの脳裏に、書簡室に残された記録が蘇る。
手紙は、確かに届いている。
では、いったい誰が、誰の名で恋文を受け取り、書いていたのか。