あらすじ
サヨの暮らす家では、人の病気や怪我を、別の人間へ移すことで治している。
病人は元気になり、傷ついた者は助かる。
その代わり、移された痛みや病は、すべて誰かが引き受けなければならない。
小夜は無口な少女・鈴と二人で、その仕事をすることになった。
人を助けること自体は嫌いじゃない。
鈴と一緒なら、この閉ざされた暮らしにも耐えられる。
いつか二人でここを出られたら、それでいい。
そう思っていた。
けれど、人を救うたびに、誰かが代わりに苦しむ仕組みの中で、サヨと鈴の暮らしは少しずつ変わっていく。
二人なら、どんな役目だって乗り越えられると思っていた。