あらすじ
「生命って、結局なんなんだろうな」
大学で生命科学を学ぶ十八歳の青年、榊陽真。
ある日、実習中に顕微鏡を覗いた陽真は、一個の細胞の内部に、本来あるはずのない光景を目撃する。
都市。
空。
そして――こちらを見返す、ひとりの少女。
次の瞬間、陽真は顕微鏡の向こう側へと呑み込まれていた。
辿り着いたのは、細胞、遺伝子、進化、生態系――あらゆる生命現象が世界そのものを形作る超次元領域、《生命宇宙《バイオヴァース》》。
そこではATPが力となり、遺伝子が姿を決め、恒常性が傷を癒やし、ウイルスが他者を乗っ取り、進化そのものが武器となる。
異世界の少女リゼ・セルネアたちと出会った陽真にもまた、一つの《生命式《バイオロジック》》が宿る。
その名は――《変異《ミューテーション》》。
自らの身体に予測不能な変化を起こす、不安定で危険な能力。
強くなるとは限らない。
役に立つとも限らない。
時には、その変化そのものが自分を殺す。
だが、陽真はやがて知る。
変異し、生き残り、次へ繋ぐ。
生命が何十億年もの間繰り返してきたその営みこそが、彼の最大の力なのだと。
癌細胞の王。
生命かどうかすら定かでないウイルス。
無数に枝分かれした進化の世界。
そして、子を産み、変異し、淘汰される宇宙そのもの。
戦いと冒険の果て、陽真たちが辿り着くのは、誰にも答えられなかった問い。
「生命とは何か?」
やがてその問いは、物質と情報、法則と概念、存在と非存在の境界さえ呑み込み、世界の成り立ちそのものへと繋がっていく。
それでも陽真がやることは変わらない。
倒されれば立ち上がる。
通じなければ変わる。
変われる限り、何度だって前へ進む。
なぜなら――
生きているなら、まだ変われる。
生物学を知れば、世界はもっと面白くなる。
細胞から始まり、生命の果てまで駆け上がる――
SF×生物学×超次元バトルアドベンチャー。