あらすじ
世界一の戦略シミュレーションゲーマーにして、チェスの世界ランカー――リヒト。
その正体は、生きることにも、何事にも無気力な十八歳の高校三年生。
家族からも何も期待されず、まともに相手にもされない。
ゲームで世界一になっても、チェスで世界ランカーになっても、心は満たされなかった。
勝っても何も得られない。 負けても命を失うわけではない。
平和で安全な現代は、リヒトにとってあまりにも退屈だった。
そんなある日、リヒトは突如として見知らぬ戦場へと放り出される。
飛び交う怒号。 ぶつかり合う兵士。 地面を染める血。 そして、目の前で失われていく命。
本物の戦争を前に、恐怖するはずだった。
だが――。
「初めて、身体に血が通っている気がする」
死と隣り合わせの世界で、リヒトの中に眠っていた何かが目を覚ます。
そこは後漢末期。 董卓が権勢を振るい、各地の諸侯が兵を挙げる乱世だった。
三国志の知識は一切ない。 身分もない。 領地もない。 兵もいない。
あるのは、勝つための頭脳と、乱世によって目覚めた底知れぬ野心だけ。
そしてリヒトは、天下無双の武を誇る男――呂布と出会う。
呂布はリヒトの知略を利用して天下へ名乗りを上げようとする。
リヒトもまた、呂布の武を利用して自らが天下へ駆け上がろうとする。
互いに相手を利用するつもりで手を組んだ二人。
平和な時代では生きる意味すら見つけられなかった十八歳の青年が、命懸けの乱世で初めて人生を楽しみ、やがて天下へと手を伸ばしていく。
「さあ、この乱世を楽しもうか」