あらすじ

人の根源的な願いが、異能「心装」となって現れる世界。 心装使いとダンジョン探索者を育てるアルセリア学院で、御門カナメの心装だけは、名前も能力も分からなかった。 具現化するのは、手のひらほどの鈍い銀色の鍵。 炎も出せない。敵も斬れない。何を開けるのかさえ分からない。 鑑定不能のその鍵は、いつしか「無銘鍵」と呼ばれるようになった。 それでもカナメは、探索者になることを諦めなかった。 彼には、誰にも見えないものが見えていた。 人や魔物が動き出す直前、力が最初に集まる場所に浮かぶ黒い点。カナメはそれを読み、剣と身体強化を頼りに、一瞬先の動きへ食らいついていく。 学院で同じ班になったのは、巨大な大剣で正面を打ち破る獅堂ガイ。 星光の使い魔とともに進む道を示す、幼馴染の七瀬セラ。 無数の糸を操り、戦場と仲間をつなぐ綾部ツムグ。 考え方も戦い方も違う四人は、衝突を重ねながら、学院地下の異変へ巻き込まれていく。 存在しないはずの通路。 設定を外れて暴走する機巧獣。 消えた帰還路。 そして、新生経路の奥で目覚める異形の王。 武器も心装も通じない敵を前に、名もなき鍵は初めて、その役割を示す。 閉ざされた道を開くため。 仲間へ届く危機を閉じるため。 これは役立たずと呼ばれた少年が、自分の願いと鍵の名を知る物語。 そして四人の願いが、ダンジョンに隠された世界の謎へ届くまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/26
  • 現在の作品還界の鍵守