あらすじ
「帳簿しか見られない陰気な女」と、夜会で婚約破棄を突きつけられたエレナ。
泣き縋るどころか、彼女がその場で差し出したのは、事前に用意していた『婚約解消合意書』だった。
傾きかけたアシュフォード伯爵家の財政を、高度な帳簿管理と相殺取引でギリギリ支えていたのがエレナだと気づかない元婚約者・ギルバートは、新興商人の娘と浮かれ騒ぐ。
手切れ金代わりに手に入れたのは、王国南端の見捨てられた廃港「エル・ソル」。
船も来ず、畑も作れない死んだ海。
だが、計算高いエレナの目は誤魔化せない――足元に広がる白い砂は最高純度の珪砂であり、背後の崖は奇跡の赤色硝子を生み出す宝の山だった。
落ちぶれた天才職人を焚き付け、独自の酒と硝子で交易特区を築き上げるエレナ。
一方、彼女を失った元婚約者の領地は、予告通り「九十日後」に完全破綻へと転がり落ちていき――。
数字と理性で人生を切り拓く令嬢の、鮮やかな領地再生&大逆転劇。