あらすじ
四十年間、真面目に働いてきた、ひとりの地方公務員。
国のため、地域のため。
そう思って生きてきた。
ところが定年間近に、国の財政悪化を理由に年金は大幅に減らされた。
長年働いてきた老人に残されたものは、わずかな年金と、長い人生で身につけた経験だけだった。
「……そんなことが許されてたまるか」
だが、彼には気づいてしまったことがあった。
役所で長年、金の流れを見てきたからこそ分かる。
国の金は、本当に消えたわけではない。
誰かが抜いている。
誰かが流している。
そして、その金で肥え太っている人間がいる。
時を同じくして、人生を終えようとしていた老人たちがいた。
写真屋。
元教師。
タクシー運転手。
薬剤師。
金属加工技能士。
小料理屋の女将。
葬儀屋。
誰もが、長い人生の中で誰にも負けない技術と人脈を身につけていた。
家族はいない。
守る財産もない。
出世する必要もない。
失うものなど、もう何もない。
だからこそ――無敵だった。
老人たちは「老人会」を結成する。
普段はどこにでもいる老人たち。
しかし、それぞれが自分の人生で培ったものを使い、腐敗した人間たちを追い詰めていく。
これは、何も持たなくなった老人たちが、最後に手にした「仕事」の物語。