あらすじ
高校生活は、目立たず、騒がず、平穏に。
それが、鳴海朔也の決めた三年間の過ごし方だった。
勉強はそこそこ。運動は得意。
だからこそ、余計な注目を集めないように、本気を出さず、必要以上に人と関わらない。
友達も少なくていい。
学校行事もほどほどでいい。
恋愛なんて、もっと必要ない。
――青春なんて、自分には関係ない。
そう思っていた。
そんなある日の放課後。
朔也は駅前で、男子たちに声をかけられ困っている一人の少女を見かける。
関わりたくない。
そう思いながらも、結局放っておけず、その場に割って入る朔也。
少女を助けたあと、名前も聞かず、
「じゃあ、俺はこれで」
と、その場を立ち去った。
まだ朔也は知らない。
昨日、自分が助けた少女が、同じクラスにいることを。
そして彼女もまた、まだ知らない。
自分を助けてくれた少年が、すぐ近くの席にいることを。
やがて二人は、ただのクラスメイトとして出会い直す。
友達ができて。
先輩と出会って。
バイト先にも仲間が増えて。
気づけば、朔也の周りにはたくさんの人が集まっていた。
目立ちたくない。
そう思うほど、なぜか目立ってしまう。
青春なんて必要ない。
そう思っていたはずなのに――。
これは、青春を避けるつもりだった少年が、友情と恋を知り、大切な人たちと過ごす日々を受け入れていく物語。
「……俺、こんな高校生活を送る予定じゃなかったんだけどな」