あらすじ
王太子フェリクから、六年間続いた婚約を終わりにすると告げられた公爵令嬢イルゼ。
理由は、子爵令嬢ミーナレスの方が「心も身体も柔らかい」から。
それなら仕方ありません。
婚約者として続けてきた仕事も、今日で全部おしまいです。
王太子妃候補としての公務も。
予定の確認も。
そして――五年間、誰にも知られず続けてきた王太子殿下の護衛も。
「それでは、本日をもちまして、王太子殿下の護衛任務を終了いたします」
そう告げた、ほんの直後。
学院の正門が吹き飛んだ。
殿下を守る仕事は、もう終わった。
けれど。
学院を襲ってきた連中まで放っておく理由は、どこにもない。
「殿下だけを守るつもりはございません。ですが、学院襲撃は別件です」
これは、王太子ひとりを影から守り続けてきた令嬢が、初めて自分の意思で剣を取る夜のお話。