あらすじ
都市ドラケンホルムに、第三の大壁を築く計画が持ち上がった。
交易は広がる。土地は増える。町は栄える。
誰もがそれを発展と呼ぶ中、一人の老人だけが異を唱えた。
「第三の壁を築くべからず」
壁を広げれば、その影に貧民が集う。
信仰の届かぬ場所には魔女が入り込み、やがて人々はさらなる壁を欲するようになる――。
古い聖典を引き、過去の戦争を持ち出し、商人と役人と最近の若者にまで文句をつけながら、頑固な老人が書き残した一通の意見書『第三壁諫言』。
果たしてこれは、時代についていけなくなった老人の長い愚痴だったのか。
それとも、後世のドラケンホルムを見通した警告だったのか。
原典邦訳・超訳・訳注から読み解く、架空の中世史料。