あらすじ
従妹トーヴェを花嫁に迎えたあとも、私には無給で二人の世話をさせる――婚約者ビョルンの勝手な予定を聞き、私はその場で縁を切った。ただし、翌日正午までに新たな居住契約を結べなければ、旧家へ連れ戻されてしまう。
そこで私は持参金証書を返し、大工のヨルゲンと十二人の職人を頼って荒れ屋敷へ乗り込んだ。雨漏りを塞ぎ、十二台の寝床を立て、十三人で同じ鍋を囲む。二十四時間で三つの居住条件を満たし、実際に働いた十二人を立会人として敷居の精霊に認めさせるのだ。
欲しいのは誰かに養われる席ではない。食べる場所も眠る場所も奪われない家を、自分で選び取るお話。