あらすじ
勇者になること――それが、少年の夢だった。
病を抱えながら生きていた少年は、英雄譚に登場する勇者たちに憧れながら、その短い生涯を終えた。
そして次に目を覚ました時、彼は剣と魔法が存在する異世界へ転生していた。
新たな名は――アゼル・クラウディウス。
健康な身体を手に入れ、成長したアゼルの前に、ある日《女神ベルカ・セレスティア》が現れる。
「あなたを、勇者として選びました」
前世から願い続けた夢が、ついに叶った。
魔王を倒し、人々を救い、英雄になる。
――そのはずだった。
だが、アゼルが討つべき存在として教えられた魔王《レグナード》は、本当に世界を滅ぼそうとしているのか?
なぜ魔王は、人間との和平を望んでいるのか?
そして――女神は、本当に正しいのか?
隠された真実へ近づくほど、アゼルが信じていた《勇者》という存在そのものが崩れていく。
やがて一つの死をきっかけに、勇者の運命は大きく反転する。
これは――
勇者になることを夢見た青年が、一度その夢を捨て、
《勇者》と《魔王》の境界を越えていく物語。