あらすじ
王国内には、失態を犯した貴族令嬢が最後に送られる、恐れられた修道院がある。
身に覚えのない横領の罪を着せられ、父にも婚約者にも信じてもらえなかった子爵令嬢ロザリーもまた、その修道院へ送られることになった。
そこで告げられたのは、奇妙な決まりだった。
「夜に、絶対に音を立ててはなりません」
高飛車で口の悪い令嬢たち、不自然に姿を消す入所者、夜の廊下を歩く何者か。そして修道院には、十年前に稀代の悪女として追放された元公爵令嬢ヴェロニカ・アルヴェーンが暮らしていた。
やがてロザリーは知る。ここは、罪を犯した女たちを更生させる場所ではない。国に、家族に、婚約者に切り捨てられた女たちが集まり、自分たちを捨てた者から、人生を取り戻すための場所だった。