あらすじ
久瀬直人、二十歳。
探索者ランクE。職業は《ヒーラー》。
だが、治癒魔法は使えない。
使える魔法は、役立たずと馬鹿にされてきた《浄化》ただ一つだった。
パーティーにも入れてもらえず、一人で低階層のゴブリンを狩る毎日。
そんなある日、愛用の安物の剣が折れた。
新しい武器を買う金もなく、直人が向かったのは探索者協会のゴミ捨て場。
そこで見つけたのは、誰にも見向きもされない《呪われた短剣》だった。
何となく《浄化》を使ってみる。
黒い靄が消え、錆びた刃が銀色に輝いた。
《夜銀の短剣 レアリティ:SR》
「……は?」
捨てられた呪い装備を《浄化》すると、本来の性能が蘇る。
SRの剣。
自動で攻撃を防ぐSSRの盾。
攻撃魔法を撃てる魔導具。
そして、URの大剣。
ただし――直人本人は弱いまま。
剣術はない。
攻撃魔法も使えない。
身体能力も低い。
だから直人は、足りないものをすべて装備で補う。
本人は最弱。装備だけは最強。
誰も拾わない呪い装備を集めながら、底辺ヒーラーは少しずつダンジョンの深層へ潜っていく。