あらすじ
天授の儀で【ポーター】という最弱ジョブを授かった少年アルト。パーティ『琥珀の旅路』の仲間たちには「死なせたくない」という優しさゆえに、王都に置いていかれることになった――いわゆる"温かい追放"。
恨み言ひとつなく、アルトは王都でひとり、食い扶持を稼ぐ日々を始める。荷運び、荷馬車の警護、倉庫番……【ポーター】の自分にできることは限られていて、誰も見向きもしないような仕事を、それでも腐らず引き受け続けた。
ジョブは天授の儀で定められた瞬間から、生涯変わることはない――それがこの世界の絶対の理。アルトもそれを疑ったことは一度もなかった。だから今の自分にできるのは、この【ポーター】というジョブを、少しでも役に立つ形に磨くことだけだと思っていた。
だが、来る日も来る日も同じ仕事をこなすうち、ジョブレベルが上限に達したそのとき、アルトの身に誰も知らない異変が起こる。あり得るはずのない、新たなジョブの取得。
そんな馬鹿な。ジョブは変わらないはずなのに——。
戸惑いながらも、アルトは少しずつ自分の異常さに気づいていく。カンストするたびに、また新しいジョブが開かれる。最初に授かったのは【採取士】。チートも近道もない。ただ与えられた力を一つずつ受け入れ、地道にレベルを上げ、スキルを引き継ぎながら強くなっていく。
やがて【下級剣士】、【下級魔導士】、【下級薬師】――積み重なった地味な力の数々が、誰も見たことのない"複合ジョブ"へと変わっていく。
一方、アルトを手放した仲間たちは、後悔と心配を抱えながら陰から彼を見守り続けていた。
これは、見捨てられたわけではなく、見守られていた少年が、自分でも知らなかった可能性に気づき、誰よりも遠回りしながら誰よりも高みへ登っていく物語。
「最弱」から始まる、地道系ジョブ無限成長ファンタジー、開幕。