あらすじ
百メートル級の怪物を、四十二秒で破壊した。
それでも、殺せなかった。
異形完全討伐のために造られた人造生命体、カイ。
圧倒的な膂力。速度。再生能力。
異形は、砕いても、潰しても、焼いても、再び同じ姿へ戻ってくる。
だが異形には、それぞれ一つだけ――
決して自ら選ばない行動がある。
世界を自分に合わせながら、自分だけは動かないもの。
一度手にしたものを、決して手放さないもの。
その絶対の原理を見抜き、異形自身に破らせる。
その瞬間、異形は――屈服する。
異形行動研究者ヨウが、その原理を読む。
カイが戦場で、それまで存在しなかった状況を作る。
そして屈服した異形の核を、カイは喰う。
喰えば、その力が残る。
その姿の一部が残る。
その性質さえ、カイの中に残っていく。
生まれたばかりのカイには、まだ自分と呼べるものがほとんどない。
それでも異形を喰うたび、少しずつ何かを知っていく。
好奇心。
謙虚さ。
好み。
他者を頼ること。
異形に近づいていく身体と、人間に近づいていく心。
これは、最強の人造生命体が異形を屈服させ、喰いながら、
自分自身を作っていく物語。
※本作は、カドコミ漫画原作コンテスト応募用に再構成・編集した全5話の漫画原作版です