あらすじ

毒竜ゲオルギウスは覚えていた。 かつて言葉と知恵は、竜の一族が人という愛しき友へと贈った花冠であったことを。 園で初めて結ばれた、人と竜の契約。一族の誇りだった。 故に永久永遠の喪失の螺旋にその巨躯を置いていながらも、忘れることなどあり得なかった。 だが、花絨毯の温かさを竜肌に感じることはできても、もはや視線を向けようと思わなくなったのは、いつからだっただろうか。 色さえ忘れ去った花束は、いまや虚ろな祭壇を飾るために手折られ、拡がりは鉄甲に踏み荒らされ、血の滴りを覆って隠している。 花言葉に綴られた祝福は空転するだけに留まる。血肉持った呪詛は土壌に強く根付く。竜との“契約”によって人にもたらされた“言葉”はいつしか“神の愛”を騙り、夥しい戦火を大地に拡げていた。

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小説を読もう2026/08/26
  • 現在の作品毒竜に花束を