あらすじ
四月の始業式の日、担任の先生より先に、アプリが僕の親友を発表した。
『リクさんの今年度の推奨しんゆう:ミナトさん(相性:九十九)』
トモナビが選んだ友だちは、たしかにすごい。話は合うし、ケンカにならないし、トラブルはゼロ。大人たちがトモナビをすすめる理由は、たぶんぜんぶ本当だ。
問題は、向かいの家のソラである。幼なじみで、相性四十二。会えばだいたいケンカになるから、名前の横には黄色いびっくりマークがつく。『この友だちは、おすすめしません』
でも、僕らのケンカには決まりがある。終わったら「なかなおりのやくそく」を紙に書くのだ。一年生から五年生の今までにたまったやくそくは、四十一枚。
——相性九十九のミナトとは、一枚もない。ケンカを、したことがないからだ。
そんな六月、ソラの引っ越しが決まった。トモナビは一瞬でソラを「いつもの友だち」欄から外し、近くで遊べる別の子を表示した。
納得できない僕は、アプリのいちばん奥にある「ご意見・お問い合わせ」のページを開く。
そえるのは、四十一枚のやくそくの写真。
友だちの点数と、仲直りの回数をめぐる、すこしふしぎな近未来の話。