あらすじ
十九歳のミナは、王都セレスティアの竜診療所で働く竜医見習い。
ある日、先生の代わりに初めて一人で往診へ行くことになった。
相手は、王都の外れにある古い塔で暮らす六百歳の老竜ベルガ。
ただし彼には、一つ大きな問題があった。
「その竜は、人間がきらいだ」
医者も薬も大きらい。
診せてほしいと言っても、返ってくる言葉は「帰れ」ばかり。
それでもミナはあきらめず、ベルガの様子を見続ける。
すると、食事を取れなくなった本当の理由が少しずつ見えてきて――。
これは、まだ見習いの少女が初めて一人で一頭の竜と向き合う、竜と人が暮らす王国の小さな診察の物語。