あらすじ
妹の栞は、降ってくる雨粒だけを12秒間、止めることができた。
豪雨の駅前で迷子を救った栞は、悪意ある切り抜き動画によって、子どもを突き飛ばした人物として拡散されてしまう。
高校生の兄・蒼太は妹を守ろうと、彼女の反対を押し切って魔法を映した動画をSNSへ投稿した。
「この動画が100万回再生されれば、妹が嘘つきじゃないと証明できる。」
再生数が100万回に達した瞬間、栞は家族の記憶、写真、学校の名簿から消える。
彼女を覚えているのは、動画を撮影し、公開した蒼太だけ。
残された時間は、三度目の夜明けまで。
妹の秘密を誰にも明かさず、雨の降る街に「誰にも見られない十二秒」をつくらなければならない。
100万回見られて消えた妹を、誰にも見せずに取り戻す。
公開することの責任と、大切な人の意思を守ることを描く、全8話の現代ファンタジー。