あらすじ
西暦2041年。サービス開始から六年を迎えたフルダイブVRMMO『アルカディア・レコード』。
プレイヤー名〈INDEX〉こと青井直人は、六年間にわたり攻略Wikiを管理してきた。
ある日、いつものようにレイドボス《黒鉄将ヴァルド》を攻略しようとした彼は、異変に気づく。
Wikiに載せていた弱点が、対策されている。
そして討伐後、INDEXのもとへ一件の通知が届いた。
「右脚は現在、弱点ではない。検証日を明記せよ」
送信者――黒鉄将ヴァルド。
調べていくうち、INDEXはNPCたちが人間の攻略記事、動画、掲示板などを「天外記録」として読んでいることを知る。
攻略情報を公開すれば、敵も読む。
正しい記事を書けば、その記事によって世界が変わる。
そして、書かれる側にも言い分がある。
攻略Wiki、配信、有料攻略情報、レビュー、偽Wiki、NPCの記憶、そして消えていく町。
「正しい情報を無料で公開することは、本当に正しいのか」
六年間“正解を書く側”だったWiki管理人が、書かれる側の声と出会い、やがて「唯一の正解」を手放すまでの、VRMMO情報社会SF。