あらすじ
「莉央奈先輩とお似合いですね」そう笑って身を引いたはずだった。高2の一ノ瀬 漣先輩と学園のアイドル・逢坂 莉央奈先輩。美男美女で完璧なふたりを前に、ただの後輩である私は愛想笑いで距離を置く。なのに先輩が彼女と並ぶたび、胸の奥が張り裂けそうに痛むのはなぜ? ――この痛みの名前を、私はまだ知らない。部活の合間に交わすくだらない冗談、頭を撫でてくれる大きな手。全部「仲のいい先輩後輩」の日常だと思っていた。けれど日常は一変。すれ違う視線と、遠ざかる背中。「最近、俺のこと避けてる?」――夕暮れの部室で先輩に問い詰められた瞬間、私はずっと閉じ込めていた本当の気持ちに気づかされる。