あらすじ

一九八六年、通産省《つうさんしょう》に配属された新人官僚・石川宗一《いしかわそういち》は、日米半導体協定の交渉実務に投げ込まれる。 世界一の技術を持ちながら、なぜ自分たちの手で値段を上げなければならないのか。「正しいかどうかでは決まらない。力で決まる」――係長・三田《みた》の言葉に、石川は仕事を続ける理由を探し続ける。 だが協定を結んでも、終わりは来なかった。値上げに苦しむメーカーの現場から放たれる「迷うだけで、何かした気になるのは楽ですよ」という一言。そして半年後に下される、さらなる制裁。 内側にいる人間が、少しでもまともにやる――その論理は、本当に誰かを救えたのか。 正しさでは動かない世界で、それでも丁寧に仕事を続けた一人の官僚の三十年を描く、経済交渉ヒューマンドラマ。

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カクヨム2026/08/26
  • 現在の作品敗戦技術 第二巻 協定の代償