あらすじ
17歳の夏。
高校生・相沢湊は、通学途中の河川敷で一人の老人の遺体を目撃する。
身元不明。推定87歳。
所持していた100円玉には、まだ存在しない「2069年」の刻印。
そして遺体が持っていた学生証には――
相沢湊。
DNA鑑定の結果も、老人が湊本人であることを示していた。
未来の自分が、死体となって現れた。
そう考えれば説明できる。
だが、湊は知らされる。
すでにもう一人、19歳で死亡した「相沢湊」の遺体が発見されていることを。
87歳で死んだ自分。
19歳で死んだ自分。
未来は二つあるのか。
それとも――。
研究者・榊原玲奈は、湊に奇妙な質問をする。
「あなたは、時間がどちらへ進んでいると思いますか?」
未来から死体がやって来ている。
人類は30年前まで、そう考えていた。
しかし現在までに確認された同様の遺体は、427,611体。
そして研究の末に判明したのは、タイムトラベルなどではなかった。
人類はこれまで、
「時間」というものを根本から勘違いしていた。
これは、一人の高校生が自分の死を追いかけ、
やがて宇宙の始まりと終わりに辿り着く物語。