あらすじ
夫レオハルトとその幼馴染セレスティアに、身に覚えのない横領の罪を着せられ、家も財産も奪われたアリシア。真夜中に追い出された彼女が雨の宿場で見つけたのは、セレスティアが置き去りにした八歳のエミルと四歳のリリィ――亡夫との間に生まれた、実の子どもたちだった。
「この子たちに罪はない」
二人を守ると決めて王都を離れたアリシアは、無愛想なグランベル辺境伯ヴィルヘルムの屋敷で、試用期間つきの住み込み家政婦となる。
武器は、五年間伯爵家を支えてきた実務能力と帳簿の知識。薪と塩の調達を立て直し、冬の備蓄を守り、数字の嘘を暴くうちに、冷え切っていた屋敷には温かな居場所が生まれていく。兄妹は少しずつ笑顔を取り戻し、記録と事実を重んじるヴィルヘルムも、アリシアを対等な相手として信頼し始める。
やがて雇用主と家政婦だった二人の間にも、恋と呼ぶには不器用な想いが芽生えて――。
一方、アリシアを失った元夫の家は崩壊。セレスティアは、亡夫が子どもたちに残した信託財産を狙い、「母親だから返せ」と迫る。
奪われた妻と、捨てられた兄妹。
三人が帳簿と記録を武器に嘘を覆し、血のつながりを超えた本当の家族になる、再出発と大逆転の物語。
※アカウント削除による再掲です。
前掲載時にいただいたレビューコメント
★★★ Excellent!!!
「実はざまぁ作品ではない」
これは単なるざまぁ展開の話ではなく、年密な復讐劇、かつ幼い子の成長物語かと思います。
物語はアリシア主体ですが、それに加えて随所にエミルの心境、葛藤、成長が窺えます。
父さん、父上、お母さま、そして先生からの母さん。
呼び方から畏敬、信頼度、尊敬度が窺えます。
素晴らしい作品です。