あらすじ
27歳の会社員・神谷颯は、休日を部屋で完結させるタイプのインドア派。最近は腹回りが気になりつつも、外に出る理由が見つからず、なんとなく見て見ぬふりをしていた。
そんな日々の中で、譲渡会で出会った子犬・レオンだけが、彼の生活に小さな風を通している。
そろそろ散歩デビューかな、と考えながらも腰が重い颯だったが、ある日ふと思い立ち、レオンと一緒に外へ出ることに。
そこへ、野草の研究をしている友人も加わり、道端の“ただの草”に名前や効能があることを知る。
気づけば颯は、ポケット図鑑を片手に、草の名前を覚え、レオンに話しかけながら歩くようになっていた。
なんでもない散歩の中で、世界は少しずつ輪郭を持ちはじめる。
これは、外に出る理由がなかった男が、“なんとなく”踏み出した一歩から、日常の見え方を変えていく、小さな変化の物語。