あらすじ
公爵令嬢のサラ・ブラウンは、覆面作家のジャック・ローレンとして小説『鐘の鳴る丘で、もう一度あなたと』を出版した。その物語は、リネール王国はじまって以来の販売数を記録し、王国でその名を知らぬ者はいない。しかし、ジャック・ローレンの正体を知る者はどこにもいなかった。
ある日、サラは市場で覆面絵師フィリップの描いた絵に出会う。フィリップの描いたエドワード・ハリスは、まるでサラの頭の中から抜け出したようだった。
「エドワード様、おはようございます」
サラは誰にも打ち明けられない胸の内を、この絵にそっと明かした。エドワードは何も言わず、聞いてくれた。いつもと変わらぬ笑顔で、じっとサラを見つめてくれた。それだけでサラは幸せだった。
「そろそろ三次元の殿方に興味を持っていただかなくては……」
サラを心配する侍女のケリー。でも、サラは二次元を愛していた。
「三次元とは結婚しない。私、子供部屋おばさんになるから」
(全8話で完結予定です。他サイトにも掲載しています)