あらすじ
昨日まで横向きだったはずの信号機が、縦になっていた。
ただの記憶違い。
最初は、そう思った。
けれど翌日も、その翌日も、世界は少しずつ変わっていく。
店の看板。
教師の姿。
家族の記憶。
そして奇妙なことに、周囲の誰もその変化を覚えていない。
ただ一人、俺を除いて。
不安になった俺は、親友の直人に尋ねる。
しかし彼は笑って言った。
「寝ぼけてんじゃね?」
やがて俺は、世界の変化について調べ始める。
検索履歴を残し、人に尋ね、ネットに書き込む。
その頃から、奇妙なことが起こり始めた。
検索画面に一瞬だけ現れる、見覚えのない言葉。
『検索をやめてください』
そして、すべてを知っているかのように俺を見つめる、クラス委員長の黒川。
彼女は俺に、一つだけ警告する。
「気づいていることを、気づかれないで」
昨日と同じ世界で目覚めたと、どうして言い切れる?
そして――
変わらない世界は、本当に幸せなのか。
世界の違和感に気づいてしまった高校生たちを描く、日常侵食系SFミステリー。