あらすじ
真面目で優しく温厚な子。
そんな仮面が剥がれてしまった、らしくない場面を目撃されたら、その目撃者を殺して“じゃない私”を隠蔽してしまう。
それが癖になってしまった主人公は、両手の指では数えきれないほどの殺人を犯してきた。
自己中心的で衝動的な自分が嫌だ。人を殺しているのに普通に生きたいと願う愚かな自分が嫌だ。死にたいのに死ぬ勇気の出ない自分が嫌だ。
止まらない自己嫌悪に苛まれながら、それでも辞められない不都合を取り除くための殺人に、勝手に悩んで勝手に落ち込む日々を繰り返す主人公。
そんな彼女の目の前に、殺したはずの被害者の名を名乗る人間たちが現れる。
「僕、生まれ変わったみたいなんです」
「あのとき殺してくれて感謝してるんですよー」
「死んで良かった」
「ありがとう」
「人殺しを辞めたいなら手伝いましょうか?」
「いっそ人殺しをビジネスにしてみます?」
「気楽に生きて良いんじゃないですか」
「たまには愛してあげましょうよ、自分のこと」
犯罪者である自分を肯定しかしない生まれ変わった被害者たち。そんな彼らに振り回されながら、主人公は今日も真人間の振りをして生きていく。
誰か私の罪を責めてください。責めたら殺してしまうと思うけれど。