あらすじ
天正十年六月。
本能寺にて主君・織田信長を討った明智光秀は、天下を目前にしながら羽柴秀吉に敗れ、その生涯を終えた。
――はずだった。
次に光秀が目を覚ました時、そこは本能寺の変を起こす三日前。
なぜ戻ったのかは分からない。
だが光秀は思う。
これは天が与えた、二度目の機会なのだと。
一度目の失敗は覚えている。 秀吉の中国大返しも、その後に起こることも知っている。
ならば今度こそ、信長を討ち、秀吉を退け、天下をこの手に――。
しかし、歴史は光秀の思い通りには動かない。
未来を知って策を変えても。 味方を増やしても。 秀吉を封じても。
光秀を待っているのは、またしても「死」。
そして死ぬたびに、光秀は本能寺の変の三日前へと戻される。
なぜ自分は何度も死ぬのか。
なぜ天下へ手を伸ばすたび、歴史はそれを阻むのか。
繰り返す人生の中で、やがて光秀は一つの疑問を抱き始める。
――そもそも私は、本当に天下を取るためだけに、信長様を討ったのか?
天下を望み、何度でも本能寺をやり直す明智光秀。
その果てに彼がたどり着くのは、天下か。
それとも――。
これは、歴史に名を刻んだ謀反人・明智光秀が、何度死んでも己の運命に抗い続ける物語。