あらすじ
英雄? 伝説?
――そんなもの、誰がなりたがるかよ。
酒好き、無責任、へっぽこで、おまけにバツイチ子持ち。
そんな男・レイジが盟主を務めるのは、
わずか十二人の零細ハンタークラン――【ネオフリーダム】。
所属する仲間たちは、いずれもA・Bランクの実力者。
なのに盟主のレイジだけは、レベルも装備も最低クラスのDランクだった。
クランの方針は、いたってシンプル。
「死なずに帰れば勝ち」
「仲間は見捨てない」
「英雄は禁止」
世界を救うつもりも、歴史に名を残すつもりもない。
魔物を狩って日銭を稼ぎ、
夜になれば仲間と酒を飲み、
娘の待つ家へ全員で帰る。
レイジが望んでいるのは、ただそれだけだった。
ところがこの男、困っている誰かを見ると放っておけない。
襲われていた新米ヒーラーを助けて死にかけ、
格上の対人クランへ喧嘩を売って死にかけ、
今日も勝ち目のない場所へ真っ先に飛び込んでいく。
やがて、その無謀な優しさが、
《焦土の覇軍》バルデスティアズとの戦いを呼び寄せる。
相手は、北部を制圧した常勝無敗の巨大対人クラン。
そして、その四天王最強を誇るのは――
難攻不落の城をわずか二時間で陥落させた怪物・龍神鬼。
圧倒的な戦力差。
桁違いの装備差。
勝ち目など、どこにもない。
それでもレイジは、誰かが取り残されていれば引き返す。
英雄になりたいからではない。
世界を救いたいからでもない。
仲間と娘の待つ家へ、全員で帰るためだ。
世界最弱の盟主と、家族みたいな十一人が紡ぐ。
剣と魔法と酒盛りで綴る、ユルくて熱い帰還戦記――開幕!