あらすじ
目を覚ましたとき、身体がなかった。
手も、足も、目も、口もない。
それどころか、自分がいるのは――巨大な魔物の体内だった。
どうやら俺は、人間ではなく、**魔力を流す一本の「魔力回路」**として転生したらしい。
動けない。
話せない。
この魔物が死ねば、自分もどうなるか分からない。
生き残るためにできるのは、自分を流れる魔力と、周囲の構造を観察することだけ。
なら、使えるものは全部使う。
魔力の流れを変え、他の器官を観察し、魔物の身体を利用する。
そうして生き延びるうちに、俺自身にも少しずつ変化が起こり始めた。
だが、成長するほど奇妙なことも増えていく。
なぜ俺には人間だった頃の記憶がある?
なぜこの世界には、まるで俺の変化を認識しているかのような「進化」が存在する?
そして――俺は、本当に人間が転生したものなのか。
魔力回路から始まり、器官を作り、身体を得て、やがて外の世界へ。
その先で俺はまだ知らない。
自分がなぜここにいるのかも。
この「進化」が何なのかも。
そして、自分が最後に何になるのかも。