あらすじ
公爵令嬢エレノアは、専属侍女アンナに誘われ、神殿で聖女の「癒しの奇跡」を目の当たりにする。
ナイフで貫かれた手から傷が消え、失われたはずの足さえ元通りになる。
それは奇跡としか呼びようのない光景だった。
だが翌日、隣国からやって来た時計技師エルマーが、神殿の氷室で死体を発見し、殺人犯として捕らえられてしまう。
「フェリス教の信徒が罪を犯すことはありません」
神殿は信仰を理由に調査すら行わず、信徒ではないエルマーを犯人と断定する。
処刑まで残された時間はわずか一日。
死体を見ることも、現場を調べることも許されない。
打つ手を失ったエレノアの前に、謎の少女セラが現れる。
「助けてあげる。だから――聖女の癒しの秘密を暴いて」
殺人事件の調査を封じられたエレノアが挑むことになったのは、傷も欠損も跡形なく治してしまう「奇跡」の謎。
果たして聖女の力は、本当に神が与えた奇跡なのか。
魔法も科学捜査も存在しない世界だからこそ、観察と記録、そして大胆な仮説が真実を暴く鍵となる。
異世界恋愛テンプレで描く、〝なろう式〟中世ヨーロッパ風ミステリー。
『退屈令嬢エレノアの事件簿』シリーズ第四弾。