あらすじ

海のどこにもない島、ドリームランド。年を取らない少年トトに連れられ、少女ミオは、二人の弟とともに夜空をこえて、その島へ渡る。地下の家に暮らす〈洞の子ら〉の、やさしい姉さんになるために。 けれど、島にはひとつ、奇妙な掟があった。子どもが夜のうちにひとり消えるたび、地上の白い石が、ひとつ増える。誰もがその子を「幸せになって還った」と言い、そして次の朝には、きれいさっぱり、その子のことを忘れてしまう。 ただ、数えることの得意なミオだけが気づいていた——生きている子どもより、白い石のほうが、ずっと多いことに。 これは、誰の仕業なのか。「還る」とは、ほんとうは何なのか。そして、なぜ子どもたちは、消えた仲間をひとりも覚えていないのか。手がかりは、継ぎだらけの影、掟の名のもとの「測り直し」、掘っても何も出てこない石の下に、静かに揃っている。 けれど、この島には残酷な仕掛けがあった。留まるほどに、ミオ自身の記憶もまた、故郷の窓の色から順に、少しずつ薄れていくのだ。真実にたどり着くのが先か、それを追う自分が消えるのが先か。 覚えている者だけが、いちばん重いものを背負う。すべての手がかりを地の文に伏せた、フェアプレイの論理で編まれる、ひとつの残酷なダークファンタジー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/25
  • 現在の作品ドリームランド ―還らぬ子どもたちの島―