あらすじ
異世界人は◯す。
それだけが、俺に与えられた役目だった。
剣と魔法の世界。科学の発達した世界。戦争の続く世界。
様々な世界を渡り歩き、そこへ紛れ込んだ異世界人へ近づき、信頼を得て、殺す。
相手が悪人か善人かは関係ない。
国を滅ぼす暴君であろうと、世界を救う英雄であろうと、誰かに愛される平凡な人間であろうと――異世界から来たというだけで、例外なく排除する。
世界を守るため。
そう言い聞かせながら、同じ不毛な行為を繰り返してきた。
だが、幾度となく手を染める血の色に、少しずつ分からなくなっていく。
自分は何を守っているのか。
殺されるべき異物とは、本当に彼らなのか。
そして、いつから自分は人の死に何も感じなくなったのか。
それでも次の世界は開かれる。
これは、世界のために異世界人を殺し続ける、一人の男の物語。